テクネチウム
読み:テクネチウム
外語:Tc: Technetium

 銀灰色の金属元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、85から120までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つも存在しない。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
85Tc β+崩壊85Mo
陽子放射84Mo
86Tc β+崩壊86Mo
87Tc β+崩壊87Mo
88Tc β+崩壊88Mo
89Tc β+崩壊89Mo
90Tc β+崩壊90Mo
91Tc β+崩壊91Mo
92Tc β+崩壊92Mo
93Tc β+崩壊93Mo
93mTc IT崩壊93Tc
β+崩壊93Mo
94Tc β+崩壊94Mo
94mTc β+崩壊94Mo
IT崩壊94Tc
95Tc20.0時EC崩壊95Mo
95mTc β+崩壊95Mo
IT崩壊95Tc
96Tc4.28日EC崩壊96Mo
β+崩壊96Mo
96mTc IT崩壊96Tc
β+崩壊96Mo
97Tc260万年EC崩壊97Mo
97mTc IT崩壊97Tc
EC崩壊97Mo
98Tc420万年β崩壊98Ru
99Tc21万年β崩壊99Ru
99mTc6.01時IT崩壊99Tc
β崩壊99Ru
100Tc β崩壊100Ru
EC崩壊100Mo
101Tc β崩壊101Ru
102Tc β崩壊102Ru
103Tc β崩壊103Ru
104Tc β崩壊104Ru
105Tc β崩壊105Ru
106Tc β崩壊106Ru
107Tc β崩壊107Ru
108Tc β崩壊108Ru
109Tc β崩壊109Ru
110Tc β崩壊110Ru
111Tc β崩壊111Ru
112Tc β崩壊112Ru
113Tc β崩壊113Ru
114Tc β崩壊114Ru
115Tc β崩壊115Ru
116Tc β崩壊116Ru
117Tc β崩壊117Ru
118Tc β崩壊118Ru
119Tc β崩壊119Ru
120Tc β崩壊120Ru
 質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 放射性元素であり、安定核種はない。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 1908(明治41)年に日本人である小川正孝博士が天然鉱物中に発見したと報告し、ニッポニウム(Nipponium)と命名したが、遂に確証は得られなかった。
 なぜなら、43番元素は地球上には存在しないからである。43番元素は安定同位体が存在せず、またいずれも半減期が短い。このため、地球誕生時に存在したとしても、現在までにほぼ全てが崩壊してしまっていたのである。
 1937(昭和12)年、イタリアのカルロ・ペリエ(Carlo Perrier)とエミリオ・セグレ(Emilio Gino Segre`)は、アメリカ・カリフォルニア大学のサイクロトロンで人工的に作り出すことに成功した。これは世界初の人工元素である。製法は、96Mo+2H→97Tc+nである。
 化学名Technetiumは、ギリシャ語で「人工」を意味するτεχνητο'σ(techneto's)から付けられた。

主な化合物

前後の元素
 
 42 モリブデン ‐ 43 テクネチウム ‐ 44 ルテニウム

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