チトクロムP450
読み:ちとくろむ-ぴー-よんひゃくごじゅう
外語:CYP: Cytochrome P450

 酸化還元酵素の一群。
目次

概要
 大腸菌など一部の細菌以外の大部分の生物(植物含む)が遺伝子を持っていて、何らかの形で使われていると考えられている。
 100種類ほどが知られており、主要なものだけでも10種類程度ある。
 細胞内の小胞体に多いとされていて、また部位としては動物では肝臓に多い。人体でも肝細胞内にある薬物代謝酵素として働き、脂溶性の薬物を水溶性に変え排泄しやすくする働きなどで解毒の要ともいえる。このため薬物に対応する酵素が欠損あるいは不足していると、その薬物が体内に長く残ることになる。なお、薬物によっては酵素誘導により、逆に有毒物質に変わってしまうものもある。

特徴

名称
 この名称は、大村恒雄と佐藤了によって、1964(昭和39)年に命名された。
 The Carbon Monoxide-binding Pigment of Liver Microsomesによると、「還元されたCO化合物顔料は450nmで強い吸収帯を持つ」とあり、pigment=顔料のPと、450nmの吸収帯からP450の名が付けられている。
 なお、チトクロムと呼ばれるヘム蛋白質(鉄蛋白質)とは直接は無関係で、このチトクロムP450はモノオキシゲナーゼである。

種類
 様々なものがあり、CPYの後に「群」番号1桁、「亜群」記号1桁を付け、さらに分類の番号を附して呼ぶ。
 主なものに、次のようなものがある。

再検索