タバコ |
辞書:科学用語の基礎知識 生物名・植物編 (BBNP) |
読み:タバコ |
外語:Nicotiana tabacum |
品詞:名詞 |
ナス科タバコ属の一年草。
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情報 |
分類 |
▼はAPG分類法における階層で、従来の階級にないもの。
科の下に亜科を置くこともある。
旧階層 |
古い分類法での階層構造は次の通り。
性質 |
花期は夏。タバコ属には50種程度が知られる。
この中で栽培される種は数種類で、商業的に栽培されている種はNicotiana tabacumとNicotiana rusticaの二種類である。
タバコの花は朝顔によく似ている。春に花の芽が出て夏に開花する。
特徴 |
連作障害 |
世界各国で栽培されている。
タバコはナス科なので、他のナス科植物と同様に連作障害が出ることが多い。連作をすると、畑の土壌の性質悪化や病害虫の多発などが起こり、タバコの品質自体にも影響する。
このため、日本では輪作をおこない土壌の栄養バランスを保つようにする例が多い。路地野菜や、麦、稲、落花生、蕎麦などとの輪作をする例が多いようである。
ニコチンの移動 |
タバコのニコチンは根で合成される。これがどのように葉に移動するのかは、京都大の矢崎一史教授らのチームが解明し、2009(平成21)年8月20日付の「米国科学アカデミー紀要」オンライン版で発表した。
ニコチンは、水と共に道管を流れて葉に向けて移動し、NtJATという蛋白質がニコチンを取り込んで、葉の細胞内にある液胞内に蓄積する。
栽培 |
目的 |
タバコという植物を栽培する目的は、タバコの葉(これを葉たばこという)を収穫することにある。
タバコの栽培時は、花を咲かせてしまうと葉に行く栄養が減ってしまうため、花は摘み取られる。葉のニコチン量が重要となるが、上の葉ほど成長が早くニコチン量も多い。このため、上の葉から順に摘み取られ、ニコチン量が多くならない下の葉はあらかじめ摘み取り廃棄することもある。
葉たばこは夏から秋に掛けて順次摘み取られ、電気窯やビニールハウスの天日干しなどにより乾燥させた後、JTに出荷される。
この乾燥葉を加工して作られるものが、「煙草」である。
農家になる方法 |
煙草を製造する会社は日本には現在JTしかなく、生産した葉たばこは、JTに買い入れてもらう以外にはない。このためたばこ事業法は、JTと耕作者が葉たばこの買入れに関する契約を締結する旨を規定している。
買い取り時の価格は契約時に定められる。そして同法により、原料として適さないものを除いてはJTが全量を買い取らねばならないと定められている。このため、一般農作物と違い市場というものが全く存在しない葉たばこでも、農業が成立する。
タバコの種子はJTから支給され、それを栽培してJTに販売することが主たる作業となる。
近年 |
日本ではニコチン依存症患者の減少もあり、タバコの需要も減り、他の作物への転業が進んでいるとされる。
いずれにせよ、農業は過酷な仕事である。
汗水を流して作られたタバコ。労働は尊いものである。
しかしそのタバコのせいで、多くの人間が病み、そして苦しんで死ぬ。
労働は、社会のため、人のためであることが望まれている。
リンク |
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