おとめ座に見られる銀河。メシエ天体であり、M104とも呼ばれる。
- 座標(2000年分点)
- 赤経: 12h 39m 59.43185s (ICRS)(SIMBAD) (電波)
- 赤緯: -11°37′22.9954″ (ICRS)(SIMBAD) (電波)
- 銀経: 298.46057736 (SIMBAD)
- 銀緯: +51.14928491 (SIMBAD)
- 所属
- 距離
- 約3000荳光年(文献により諸説あり)
- 赤方偏移: z=0.003642±0.000017
- 光が届くまでの時間: 約0.5億年 (z=0.003642から計算)
- 実際の距離: 約0.5億光年 (z=0.003642から計算)
- 等級
- 紫外線等級(U): 9.51±0.08等
- B(AB)等級: 9.55±0.03等
- 黄色等級(V): 8.00±0.06等
- R(AB)等級: 8.05±0.03等
- R等級(J): 5.886±0.015等
- H等級(H): 5.207±0.015等
- K等級(K): 4.962±0.017等
- タイプ
- 視線速度(RV)=後退速度
- 1090km/s(941.8km/cBeat)±5km/s(4.3km/cBeat) (SIMBAD)
- みかけの後退速度: 1089.86km/s(941.6km/cBeat) (z=0.003642から計算)
- 実際の後退速度: 1091.38km/s(943.0km/cBeat) (z=0.003642から計算)
- M104
- NGC 4594
- LEDA 42407
- MCG-02-32-020
- UGCA 293
メキシコ人がかぶっていたつばの広い伝統的な帽子ソンブレロに似ているため、ソンブレロ銀河という愛称がある。
地球からは銀河を真横から見ていて、中央に暗黒帯が横切っている。
非常に独特かつ特徴的な形状をした銀河で、発見された当時は巨大な銀河バルジを持った渦巻銀河として扱われていた。
しかし後の赤外線観測などにより、実は楕円銀河でありかつ中心の膨らみの周囲にガスと塵からなる、土星の環のような構造をもった銀河であることが分かった。なおかつ楕円銀河として核の周囲にも構造が広がっているために、事実上「楕円銀河の中に環が収まっている」構造となっている。
この環は、ソンブレロ銀河における主要な星形成領域である。
ソンブレロ銀河の中心核は活動銀河核である低電離中心核輝線領域(ライナー)である。
赤外線観測などにより、中心核には星形成領域は存在しないらしいことが分かっている。
この銀河の中心部にある超大質量ブラックホールは、太陽の10億倍の質量をもつとされている。
銀河系の至近で観測された中では最大級のブラックホールである。
ソンブレロ銀河は、おとめ座銀河団の南に広がる、銀河による複雑なフィラメント構造の雲の中に存在する。
このため、かつてはおとめ座銀河団の一員に分類されることもあったが現在ではおとめ座銀河団の一員ではないとみなされている。そして、フィラメント構造の中でNGC 4487、NGC 4504、NGC 4802、UGCA 289などの銀河とグループを作っていらしいことが分かっている。
関連するリンク
M 104 -- LINER-type Active Galaxy Nucleus @ SIMBAD用語の所属
おとめ座
メシエカタログ