ジャガイモ |
辞書:科学用語の基礎知識 生物名・植物編 (BBNP) |
読み:ジャガイモ |
外語:potato |
品詞:名詞 |
ナス科ナス属の多年草。食用五大作物(小麦、水稲、大麦、トウモロコシ、ジャガイモ)の一つで、芋類では最大の生産量をもつ。和名には馬鈴薯(ばれいしょ)など幾つかある。
|
情報 |
分類 |
▼はAPG分類法における階層で、従来の階級にないもの。
科の下に亜科を置くこともある。
旧階層 |
古い分類法での階層構造は次の通り。
生態 |
原産は中米から南米。
地下茎(塊茎)を形成し、これが食品として利用されている。
収穫期は、一般に植え付けから100日後とされている。春植えのじゃがいもの収穫は晩春から初夏である。
特徴 |
由来 |
ジャガイモは、「新大陸発見」以降の16世紀にまずスペインにもたらされ、その後、ヨーロッパ全土に広がった。ただし、当初は観賞用であった。これは、運搬中に食べた者がソラニンなどの中毒になり、食用ではないとみなされたためと思われる。
17世紀以降にはヨーロッパ全土で食用として栽培されるようになる。生産性の高さから、特に寒冷な気候のアイルランドやドイツなどで広く栽培された。なお、これらの国では主食として現在でも食べられているため、1845(弘化2)年〜1849(嘉永2)年、ジャガイモに疫病が広まると深刻な飢饉となり、100万人以上とも言われる多くの者が餓死者を出し、そしてまた別の者たちはアメリカ大陸へと渡ることとなった。
日本 |
日本へは江戸時代初期の慶長年間(1596〜1615年)にオランダのジャガタラ(現在のジャカルタ)港から長崎に持ち込まれたのが初とされる。
ここからジャガタラ芋と呼ばれるようになり、後に現在のジャガイモという名になった。
今では「芋」の代表の一つとなっている。
栄養価 |
日本でよく使われる品種に男爵とメークインがあるが、男爵は澱粉質が多く、ホクホクする代わりに煮崩れしやすいためコロッケやマッシュ・ポテトなどに使われる。対してメークインは煮崩れしにくいため、煮物に使われる。
毒 |
ジャガイモの芽と緑になった皮にはソラニンなどのアルカロイドが含まれ、これは有毒である。
食べると吐き気や頭痛などの食中毒の原因になる。調理の際には必ず除去する必要がある。
なお、皮が緑色になった場合、実のかなり奥にまで高濃度にアルカロイドが存在することが知られているので、除去の際には深く削りとる必要がある。
保存方法 |
ジャガイモの保存方法は一工夫が必要である。
炎天下や燦々と太陽が照りつけるような場所に置いてはいけない。ジャガイモは光合成によって萌芽が促がされ緑化する。こうなると有毒なソラニンがジャガイモ全体に広がってしまい、食べられなくなる。
この現象は保存中に限らず、栽培中にも起こる。家庭菜園や学級園などで栽培されたとき、土を被っていないジャガイモは緑化し有毒となる。このようなジャガイモは食べてはいけない。こういった芋を食べたことによる食中毒が毎年発生している。
基本は常温かつ日陰で保存する。冷凍保存は出来ず、原則として冷蔵保存もしない。家庭用冷蔵庫では庫内の湿度が低すぎるため、かえって日持ちしなくなる。冷蔵保存すると還元糖の濃度が上がり甘くなる。ただしポテトチップスなどにする場合には、還元糖が「こげ」の原因となりアクリルアミドを多く生成するため望ましくない。
また、風通しを確保しないとすぐに腐ってしまう。通常は、段ボール箱、麻袋、紙袋などに入れて保存される。新聞紙で包んでも良い。スーパーマーケットなどから買ってきて、その袋に入れたままにしてしまうと、最悪数日後には腐って食べられなくなる。
また、湿り気などが無い限りは、土は付いたまま保存するのが良いとされている。
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |