エディアカラ生物群
読み:えでぃあからせいぶつぐん
外語:Ediacara fauna
先カンブリア時代末(約6億年前)の海成層から発見される化石群の通称。エディアカラ化石群、エディアカラ動物群などとも。
概要
概ね、約6億2000万年〜5億4200万年前の時代の生物である。
約7億年前の2回目の全球凍結スターチアン氷河時代、約6億5000万年前の3回目の全球凍結マリノアン氷河時代と続く氷河期での大量絶滅の後、この氷河期が明けてから急速に進化した生物群であろうと推定される。
この名前は、1946(昭和21)年にオーストラリアの地質学者レッグ・スプリッグにより発見された、オーストラリア南部のエディアカラ(またはエディアカーラ)丘陵に由来する。
特徴
形状など
肉眼で確認できる大きさの生物化石が大量に発掘されるものとしてはほぼ最古のものとなり、ここからこの時代の生物相を知ることができる。
カンブリア紀以降の生物化石とは著しく異なるのが特徴で、骨格、殻、歯といった硬組織は存在せず柔組織だけでできており、比較的大きく、そして形状は多くのものが扁平である。他の生物を捕食し消化するような構造が見られない上、循環器すらもないため、体表面から外界との物質交換をしていたものと考えられている。
また、これら生物は動くことができたため、役割を持った複数の細胞からなる多細胞動物であるとする説があり、ここからエディアカラ動物群と呼ぶ向きがある。
分類について
これら生物が、系統樹としてどのような位置づけになるのかについては、まだ分かっていない。
これはほぼ最古級の多細胞動物であるが、これが現生生物と繋がっているのかは不明である。系統樹としては傍系の生物群で、現生生物とは繋がっていないとする仮説もあるが、カンブリア時代の一部生物についてはエディアカラ生物群を直接の祖先とみなせるものが見つかっている。
絶滅
先カンブリア時代末に登場するが、カンブリア紀が始まる頃にほぼ絶滅している。
その原因は定かではない。カンブリア紀に入りカンブリア爆発が起きた頃には外骨格を持った生物が多数登場しているが、こういった新たに登場した捕食動物に捕食され絶滅したとする説もある。
のみならず、先カンブリア紀とカンブリア紀の境界(V-C境界)では大量絶滅が存在することから、何らかの環境変化が生じた可能性もある。
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