不飽和炭化水素のうち、二重結合を一つだけ含む鎖式炭化水素のこと。つまり、一価の鎖式不飽和炭化水素。一般式は CnH2n (n≧2) である。
IUPACの命名法では、語幹に -ene を付ける、つまり対応するアルカン(鎖状の飽和炭化水素)の語尾 -ane を -ene に変える。二重結合の位置は、最も小さくなるようにして番号を与える。
環状のものはシクロアルケンという。シクロアルケンの場合、二重結合の位置は1番か2番のどちらかにしかならないため、特に番号を附さないことが多い。
複数のアルケンを含む(複数の二重結合がある)場合は、数詞を応用して次のように呼び、アルケンとは区別される。
分岐や置換基を持つアルケンは、アルカンと同様に命名される。
- 炭素数5のアルケンで、二重結合が1番目なら「ペンタ-1-エン」である。
- 4番目にメチル基が付いた場合は「4-メチルペンタ-1-エン」である
- 更に2番目にエチル基が付いた場合は「2-エチル-4-メチルペンタ-1-エン」である
枝は、番号が小さい方から順番に命名する。
特に低分子のアルケンは、IUPAC命名法とは別の慣用名を持つことが多い。
- CH2=CH2 ‐ IUPAC名「エテン」 慣用名「エチレン」
- CH3CH=CH2 ‐ IUPAC名「プロペン」 慣用名「プロピレン」
- H2C=CHCH2CH3 ‐ IUPAC名「1-ブテン」 慣用名「エチルエチレン」
- CH3HC=CHCH3 ‐ IUPAC名「2-ブテン」 慣用名「ジメチルエチレン」
CnH2n (n≧2)のn数ごとに、次の通り。
- n=2 エテン C2H4 (慣用名エチレン)
- n=3 プロペン C3H6 (慣用名プロピレン)
- n=4 ブテン C4H8
- n=5 ペンテン C5H10
- n=6 ヘキセン C6H12
- n=7 ヘプテン C7H14
- n=8 オクテン C8H16
- n=9 ノネン C9H18
- n=10 デセン C10H20
- n=11 ウンデセン C11H22
- n=12 ドデセン C12H24
用語の所属

不飽和炭化水素
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