地磁気センサー
読み:ちじきセンサー
外語:magnetic field sensor
地磁気を検知するセンサー。方位を計測するもので、いわゆる「電子コンパス」。
概要
磁場(磁界)の向きを計測し、方位を求めるセンサーである。
精度は製品により様々だが、磁気センサーで得られる情報は磁束密度(単位はテスラ)である。民生機器向けに開発されている地磁気センサーの殆どは、何らかの演算により、マイクロテスラ単位での結果が得られる。
磁場が乱れた場所(スピーカーの前や鉄筋などの至近)では、正確な結果が得られないことがある。また、磁気嵐が発生した時なども、同様に正確な値が得られない。鳩など、体内に磁気コンパスを持った生物も、磁気嵐時には正確な方位が分からなくなる。
特徴
用途
ここで得られる方位を基準として、ジャイロセンサーを併用すると、3軸での方位や角速度を求めることができる。
飛行機の慣性航法や潜水艦などは、このような装置を併用しているものと思われる。
2軸と3軸
地磁気センサーには、2軸型と、3軸型が存在する。
例えば、北方向を検出する場合なら、前後・左右の地磁気を検出し、地磁気が水平方向にどちらを向いているかを調べるだけでよい。従って、このような用途であれば、2軸型で必要十分となる。
しかし、2軸型は地面に対して水平に使用する必要がある。傾けてしまうと、水平方向が正確に検出できないため、誤差を生じてしまう。
そこで3軸型は、前後・左右に加えて上下方向の地磁気を検出するセンサーを搭載している。上下の傾きが分かれば、そこから計算することで水平方向の地磁気を求め、正しく方位を検出することができる。
製品例
例えば、ヤマハのYAS532Bは、磁気センサー、バッファーアンプ、温度センサー、ADコンバーター、クロックジェネレーター、シリアルデータインターフェイス回路(I〓C)を1チップに集積した3軸地磁気センサーである。
このチップは、X軸・Y1軸・Y2軸のセンサーがあり、Y軸とZ軸はY1軸・Y2軸から演算することで、仮想的なY/Zセンサーとして求める仕様である。
その後、感度補正値を用いた演算をすることで、概ねμT単位での結果が得られる。
加速度センサーと地磁気センサーを一つにした製品もある。
再検索