回帰線
読み:かいきせん
外語:Tropic

 母天体の周囲を公転する惑星などの天体に存在する、母天体からの光線が地表に対して垂直に当たる部分。「至線」(しせん)とも。
目次

概要
 地球の場合、太陽の周囲を公転していることから、太陽光線が地表に対して垂直に当たる部分をいう。
 地球は、自転軸は公転面の垂線に対しては約23.4°(約23°26′)の角度を成している。太陽光が垂線に当たる場所は一年間の季節ごとに周期的に変化し、また一日の太陽の動きに合わせて時間によっても変化する。このうち、春分と秋分では太陽は赤道上で鉛直に照らし、北半球での夏至では北緯約23°26′、北半球での冬至では南緯約23°26′で、太陽が鉛直に照らす。
 つまり、最も高緯度で太陽が天頂に達する緯度に赤道と平行に引かれた線を回帰線といい、北半球は北回帰線、南半球は南回帰線と呼び分ける。

特徴

変動
 地球の自転軸は歳差運動により長期で変動しており、また章動と呼ばれる微小な運動でも変動している。
 実際に、回帰線緯度は秒単位で変動しており、地表面の距離にすると、毎年かなりの距離を移動していることになる。
 このため、回帰線緯度を説明する文書では、約23.4°(約23°26′)のように大雑把にしか記載されないことが多い。

熱帯
 赤道から南北の回帰線に挟まれた地域は、年間を通じて太陽光を強く受け気温が高く、熱帯となっている。
 また、赤道付近で生じた上昇気流が上空で乾燥し、これが南北の回帰線付近で下降気流となる。このため回帰線付近は乾燥帯となりやすく、このため砂漠となっていることが多い。

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