マラカイトグリーン
読み:マラカイトグリーン
外語:MG: Malachite green

 常温では緑色から菫色の有機色素。合成抗菌剤でもある。
 劇物指定。別名「C.I. BASIC GREEN 4」。
目次

物質の情報
 通常は塩酸塩。

塩酸塩
 

蓚酸塩
 

その他誘導体、関連物質
 生体内で酵素により還元され、ロイコマラカイトグリーンになる。
 その他、CAS番号として、正体不明だが4569-64-2、18015-76-4、といったものも確認されている。

一覧

物質の特徴
 繊維の染色に使うほか、殺菌剤殺虫剤としても用いられる。

毒性
 マウスの急性経口致死量LD50(半数致死量)は80mg/kgである。

安全性
 本物質は核酸塩基との親和性を持つ構造であるため、発がん性変異原性が疑われるが、現時点では明確な毒性評価がない。
 FAO/WHOの一日許容摂取量(ADI)もまだ設定されていない。

動物実験
 マウスによる長期実験では、ラットの肝臓等に発がん性を有することが示唆されたとする資料がある。その病変の多くは腺腫であった。
 しかし他の遺伝子毒性試験は殆ど全てが陰性である。
 総合的な判断では、遺伝毒性を有する可能性は否定できず、現実に囓歯類での発がん性は示唆されているが、しかし現時点では発がん性のメカニズムは明らかとなっておらず、発がんリスクは不明である。

危険性

有害性

環境影響

使用状況

本邦
 発がん性が指摘されていることから、本邦においては2003(平成15)年7月の薬事法改正より規制が追加された。2005(平成17)年7月以降、観賞魚の水黴治療剤などとしての使用は認められるが、養殖魚への使用など、食品中への含有は認められなくなった。
 また食品衛生法により、食品中にマラカイトグリーンが検出された場合は、販売や流通等を行なうことができない。

支那
 2002(平成14)年5月より法規制されたが、実効性はない。
 支那は河川の汚濁が著しく、長江(揚子江)さえ今では「世界最大のドブ川」と呼ばれている。そんな状況から、そのままではの卵は水黴により死んでしまい養殖は不可能である。そこで養殖に際し、大量のマラカイトグリーンが使われている。

支那→日本
 2005(平成17)年8月に、支那より本邦に輸入された養殖鰻からマラカイトグリーンが検出され、大問題となった。

支那→香港
 毒は鰻に限っていない。香港政府は支那からの淡水魚の輸入を当面見合わせている。なぜなら、あらゆる種類の淡水魚から「マラカイトグリーン」が検出されたからである。
 当初、支共政府は「香港の業者が運搬途中に混入した」と主張していたが、突然「淡水魚の輸出を当面停止する」と通告してきたとされる。支共政府がこの様な事を言い出すのは極めて異例である。本土の情報は明らかとなっていないが、香港からの情報を見るかぎり、本土では凄惨な状況になっていると考えられる。
 ちなみにマラカイトグリーンとは無関係な話だが、支那産オレンジの皮を剥こうとしたら手がオレンジ色になった、という事件がある。より高く売るため、艶出し塗装を施したそうである。また、野菜も基準値を完全無視した量の農薬が用いられたり、米は漂白剤で漂白されているなど、問題は深刻化している。香港では、漂白剤入りの「白く美しいお米」を食べて死者が出た事件もある。

欧米
 1970年代より発がん性が疑われ始め、米国では1981(昭和56)年、EU加盟国等では2002(平成14)年にそれぞれ使用が禁止された。

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