プリオン病
読み:プリオンびょう
外語:prion disease
プリオンを病原体とする疾病の総称。
概要
何らかの理由により、正常プリオン蛋白(PrPC)が伝播性を有する異常プリオン蛋白(PrPSc)に変化し、これが中枢神経内などに蓄積することで神経細胞を変性させてしまう致死性疾患である。
この疾患は人獣共通感染症であり、ヒトを含む広範囲の哺乳類種が罹患する。
種類
ヒト
ヒトの代表的なプリオン病であるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、年に、100万人に一人程度の割合で発生すると言われている。
感染経路は、次の3種類が考えられている。
- 特発性であるもの
- プリオン蛋白遺伝子の変異による遺伝性であるもの
- 家族性CJD
- ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)
- 致死性家族性不眠症(FFI)
- 他からのプリオン感染によるもの
他の動物
病態
脳が冒されるため、その病状進行に伴った病態となる。
ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の場合は、臨床病期は次の3期にわけられている。
- 第1期: 倦怠感、ふらつき、めまい、視覚異常、記憶力の低下や物忘れ、統合失調症
- 第2期: 認知症が更に重度・顕著となり、ミオクローヌスを呈したり、また会話、意思の疎通、歩行などができない状態となる
- 第3期: ミオクローヌスがなくなる代わり運動失調(無動無言状態、除皮質姿勢(除皮質硬直)、屈曲拘縮など)を呈する。感染症であれば余命は1〜2年である
治療
治療法はまだ確立していない。ワクチンや治療薬は、なお存在していない。
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