フォーマルハウト
読み:フォーマルハウト
外語:Fomalhaut
みなみのうお座α星(αPsA)。"魚の口" の意。1等星の中では18番目に明るい星で、1等星の中では4番目に太陽に近い星である。
カタログ番号HIP 113368、HD216956、HR8728。
位置は2000年分点で赤経22h 57.6m、赤緯-29°37′。距離は25光年。実視等級1.16等、絶対等級1.73等。スペクトルA3V型の白色の星で、表面温度は8800K、半径は太陽の1.65倍。
支那語名は "北落師門" (ほくらくしもん)。唐の時代の都・長安(現: 中国陝西省西安市)にあった北落師門が丁度この星の見える方角に有ったからだという。
1等星に乏しい日本の秋の空の中では、実視等級の低さにも関わらずよく見え、秋の夜空の寂しげな風情を象徴する星と言える。
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、フォーマルハウトの周辺に楕円の塵のリングがあることが確認された。しかしその中心はフォーマルハウトから約20億km(約13[au])の距離離れている。この理由は、塵のリングの中に不可視伴星が公転しており、その重力でリングが変形したためと考えられている。
もし伴星が惑星よりも大きい(例えば褐色矮星)であればハッブル宇宙望遠鏡でも観測可能だが、この星は観測不可能である。従ってリングの中にある天体は惑星であると考えられ、フォーマルハウトには少なくとも一つ以上の惑星があると考えられる。しかし惑星は主星から75〜105億km(7.5〜10.5Gm)(50〜70天文単位)の距離があり、遠すぎて寒すぎるため生物はいないと考えられる。
しかも主星は太陽質量の2〜3倍あるため寿命は10億年程度と見積もられており、仮により内側に惑星があったとしても、地球の場合なら数十億年の時間が必要であるため十分な進化を遂げる前に燃え尽きてしまうと考えられる。
シミュレーションによると木星程度の質量を持つ惑星が一つ以上あれば、リングの中心と星の位置のずれが説明可能であるとされている。
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