インジウム
読み:インジウム
外語:In: Indium

 銀白色の金属元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、97から135までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
 インジウムの大半は115Inだが、これは長寿命放射性同位体で、半減期は600兆年とも441兆年とも言われる。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
97In    
98In  β+崩壊98Cd
99In  β+崩壊99Cd
100In  β+崩壊100Cd
101In  β+崩壊101Cd
102In  β+崩壊102Cd
103In  β+崩壊103Cd
104In  β+崩壊104Cd
105In  β+崩壊105Cd
106In  β+崩壊106Cd
107In β+崩壊107Cd
108In β+崩壊108Cd
108mIn   
109In β+崩壊109Cd
109mIn   
110In4.90時β+崩壊110Cd
110mIn1.15時  
111In2.81日EC崩壊111Cd
111mIn   
112In β+崩壊112Cd
β崩壊112Sn
112mIn   
113In4.3%安定核種(中性子数64)
113mIn1.66時IT崩壊113In
EC崩壊113Cd
114In β+崩壊114Cd
114mIn49.5日IT崩壊 
EC崩壊114Cd
115In95.7%>4.41×1014β崩壊115Sn
115mIn   
116In13.4秒β崩壊116Sn
116mIn54分β崩壊116Sn
117In β崩壊117Sn
117mIn   
118In β崩壊118Sn
119In β崩壊119Sn
119mIn   
120In β崩壊120Sn
121In β崩壊121Sn
122In β崩壊122Sn
123In β崩壊123Sn
124In β崩壊124Sn
125In β崩壊125Sn
126In β崩壊126Sn
127In β崩壊127Sn
128In β崩壊128Sn
129In β崩壊129Sn
130In β崩壊130Sn
131In β崩壊131Sn
132In β崩壊132Sn
133In β崩壊133Sn
134In β崩壊134Sn
135In   
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

特徴

性質
 半導体材料や易融合金成分として使われる。

天然放射性同位体
 インジウムは、質量数115が全体の95.7%と多数を占めるが、これは実は天然の放射性同位体である。つまり、放射能を持っている。
 しかしその半減期は600兆年とも441兆年とも言われるほど長く、殆ど安定同位体と変わらないため、その放射性は無視できる。

生産
 インジウムは、ほぼ全てが亜鉛等の製錬での副産物として得られているため、その生産は亜鉛の需給・価格に左右される。また地金生産は日本を中心とした極東地域に集中し、なおかつ世界のインジウム需要の8割を日本が占めるという特殊性がある。
 かつては日本、北海道の豊羽鉱山が世界最大のインジウム鉱山で、産出した亜鉛精鉱から年間30t程度のインジウムを生産していた。しかし深所になるにつれ高温となり発破に使うダイナマイトがその熱で自然爆発してしまうため使えず、かといって冷却装置などを導入すると価格が折り合わなくなるため無理で、結果として鉱脈自体はさらに深部まであることは確認されているものの現行の採掘技術では採算性を維持したまま採掘できないため2006(平成18)年に閉山された。
 世界のインジウム埋蔵量は「ハイテク産業を支える亜鉛製錬副産物 インジウム」(一般社団法人 日本メタル経済研究所)によると次の通りである。
 2008(平成20)年現在の対日インジウム輸出国は1位が南朝鮮(66.1%)、2位が支那(16.7%)、3位がカナダ(11.5%)、4位が台湾(4.9%)となっている。
 ただ支那は、他の鉱種と同様に輸出や価格に政治的思惑を含め需給・価格に影響を及ぼしている。

発見
 1863(文久3)年にドイツの科学者ライヒと、その助手のリヒターによって発見された。
 名前の由来は、炎色反応藍色だったことから、ラテン語で藍色を意味する「indicum」から命名された。

主な化合物

安全性

危険性

有害性

環境影響

前後の元素
 
 48 カドミウム ‐ 49 インジウム ‐ 50

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