アルミニウム
読み:アルミニウム
外語:Al: Aluminium

 13族(アルミニウム族)に属する銀白色典型金属元素。略してアルミ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、19から43までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
19Al 陽子放射18Mg
20Al 陽子放射19Mg
21Al 陽子放射20Mg
22Al β+崩壊22Mg
23Al β+崩壊23Mg
23mAl   
24Al β+崩壊24Mg
24mAl IT崩壊24Al
β+崩壊24Mg
25Al β+崩壊25Mg
26Al74万年β+崩壊26Mg
EC崩壊26Mg
26mAl β+崩壊26Mg
27Al100.00%安定核種(中性子数14)
28Al2.2414分β崩壊28Si
29Al6.56分β崩壊29Si
30Al β崩壊30Si
31Al β崩壊31Si
32Al β崩壊32Si
32mAl   
33Al β崩壊33Si
34Al β崩壊34Si
35Al β崩壊35Si
36Al β崩壊36Si
37Al β崩壊37Si
38Al β崩壊38Si
39Al β崩壊39Si
40Al β崩壊40Si
41Al β崩壊41Si
42Al β崩壊42Si
43Al β崩壊43Si
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 非常に軟らかい軽金属で、地殻に多く(8%)含まれている。地殻中では酸素珪素に次いで3番目に多く、金属では一番多い。にもかかわらず、精製にコストがかかり、それほど安価ではない。
 両性元素で、酸にもアルカリにも溶解する。
 酸化されると表面に安定な酸化物の膜を作る。これは酸に溶けないため、その内側にある金属を保護出来る(不動態)。
 アルツハイマー患者の脳内アルミニウム濃度が上昇することから、アルミニウム化合物の摂取がアルツハイマーの原因だと言われたことがあるが、現在の知見ではその可能性は低いとされている。なお、アルミ製食器、調理器具を使用することはアルツハイマーの原因にはならないとされている。

安全性

危険性

有害性
 長期に、または反復して粉塵粒子に暴露すると、肺が冒されることがある(アルミニウム塵肺)。

環境影響

主な用途
 加工されあらゆる所に使われていて、例えば建材、食器、包装材(アルミホイルなど)、電解コンデンサー(アルミニウム電解コンデンサー)材料などの用途がある。
 集積回路のゲート電極をアルミニウムを使用ものをAlゲートという。またIC内部をアルミニウムで配線した製品もある。
 シリコンとアルミニウムを材質とした半導体のことをSAMOSという。
 送電線材料には抵抗重量からアルミニウムなどが使われる。
 日本では1円硬貨がアルミニウム製である。

発見
 1825(文政8)年にデンマークの物理学者ハンス・クリスチャン・エルステッド(Hans Christian 〓rsted)は、不純ながらアルミニウムを初めて分離した。
 エルステッドはこの発見をドイツの科学者フリードリッヒ・ウェーラー(Friedrich W〓hler)に話し、ウェーラーは1827(文政10)年に単離に成功した。現在の化学史では、発見者はエルステッドとする派と、ウェーラーとする派に別れているようだ。
 名前alumi(n)umは1807(文化4)年にイギリスのハンフリー・デービーにより名付けられた。由来は、アルミニウムの化合物の一つ、明礬(ミョウバン)を意味するラテン語の "Alumen" から。

主な化合物
 様々な酸と塩を作る。

主な合金

前後の元素
 
 12 マグネシウム ‐ 13 アルミニウム ‐ 14 珪素

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