たこ足配線
読み:たこあしはいせん
テーブルタップなどを使用して、一つのコンセントに多数の電気機器を接続すること。分岐する様子が、あたかも蛸の足のようであることから、こう呼ばれる。
概要
「たこ足配線」という語は俗語だが、新聞でも使われる。
電力会社も、「たこ足配線」「タコ足配線」など表記に揺れがあり統一されていないが、使用している。
特徴
許容電流
日本の場合、一つのコンセント(以下、アウトレットという)は100V×15A=1500Wが最大となっている。これを定格容量という。
従って、一つで1500Wを超える家電は存在しないが、テーブルタップで多数の家電を繋ぐと、壁のアウトレットに到達するまでに合計1500Wを超える可能性がある。
あまり知られていないが、テーブルタップ自身にも許容電流がある。ちゃんとしたものは「合計1500ワットまで」と書かれているが、安物は思いの外この許容電流が低いことがあるので注意が必要である(合計1000Wや、200Wなどという代物も確認されている)。
危険性
安全限度を超えた容量の電気を流しつづけると、タップ本体、タップの電線、あるいはタップや壁のコンセント(アウトレット)が発熱する。
やがて、コードが溶解してショートし、発火して火災を招くことがある。
2011(平成23)年5月25日には、名古屋市瑞穂区の野田功さん宅で、家族8人中7人が死亡する火災が発生したが、その出火原因はたこ足配線だったことが広く報道された。
電気は目に見えないが、甘く見ると非常に危険なのである。
注意と対策
台所用品、例えば冷蔵庫や炊飯器、電磁調理器といったものは専用のアウトレットが用意されていることが多く、よほど数が多くない限りは、たこ足配線になることはまれと思われる。
重点的に注意すべき箇所は、居間や書斎である。エアコンなども専用アウトレットを使うが、掃除機、電気カーペット、電気毛布、アイロン、ドライヤー、こたつ、といったものはそれぞれ2A〜10A程度使うので、定格容量を超過しやすい。
また、パソコンなどを使う場合も同様で、一つのコンセントから引き回して使う例が多いが、さらに、このケーブルがパソコンの裏などで絡まっていると、発熱しやすく、事故になりやすい。上の7人死亡した事件では、まさにパソコンの裏が出火場所だったのである。
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