機動戦士Zガンダム
読み:きどうせんしゼータガンダム

 1985(昭和60)年3月2日〜1986(昭和61)年2月22日に放映されたサンライズ制作のロボットアニメ。全50話。機動戦士ガンダムの続編であり、7年後の世界を舞台としている。但しテレビシリーズの続編ではなく、映画版の続編ということにされている。総監督は富野由悠季。キャラクターデザインには安彦良和と共に若手の北爪宏幸が、メカニカルデザインには大河原邦男と共に藤田一巳を始めとして永野護や小林誠、他多数が参加しており、旧作スタッフが間を持ちつつ新しい流れを組み込んだ形となっている。
 宇宙世紀0087年、一年戦争から7年が経過した地球とスペースコロニーでは、ティターンズという連邦軍の特殊部隊による反連邦的な思想を持つスペースノイドに対する弾圧が行なわれていた。これに対し反地球連邦組織としてエゥーゴが組織され、両者が対立姿勢を強めていった頃、サイド7でティターンズ用新型モビルスーツ "ガンダムMk.II" をエゥーゴが奪取するという事件が起きた。この強奪されたガンダムMk.IIの1機には些細ないざこざから民間人カミーユ・ビダンが搭乗しており、彼はティターンズへの反発などからエゥーゴへと身を投じることとなる。
 この作品の主人公は前作と全く無関係なカミーユという少年であり、前作の主人公アムロはただの脇役となっている。但しアムロを含めて旧ホワイトベースのクルー達は様々な形で登場している。最大の特徴はタイトルに付けられている主役メカ(Zガンダム)が中盤まで全く登場しないという点で、従来の概念を覆すような構成となっていた。
 前作に比べて極端かつ無節操に大量のモビルスーツが登場するが、これは明らかにプラモデル販売を狙った商業的なものである。このために多数の外注デザインが使われており、各種モビルスーツのデザインに一貫性が無い。また時代背景的に試作型のモビルスーツが中心となっていたが、その内容をデザイナーに任せていたために装備や性能がインフレするといった事態を引き起こした。
 Zガンダム以降のモビルスーツデザインの特徴にムーバブルフレーム(可動式内骨格)とリニアシート(浮遊式耐荷重シート)と全天周囲モニターがあるが、これらはいずれも重戦機エルガイムでデザイナー永野護によって出されたアイディアで、その後の様々なロボットデザインに影響を与えた。実際Zガンダムのデザインスタッフに永野本人も参加しているが、アイディアの導入自体は実は永野自身ではなく藤田一巳を中心とした第三者による模倣である。更に永野自身によるモビルスーツデザインでは(百式のベースも含め)これらのデザインパターンは組み込まれておらず、あくまでこれはヘヴィメタル用のアイディアであって、モビルスーツはモビルスーツのデザインラインで、という考えであったようだ。

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