超時空要塞マクロス
読み:ちょうじくうようさいマクロス
外語:The Super Dimension Fortress MACROSS
1982(昭和57)年10月3日〜1983(昭和58)年6月26日放映のロボットアニメ。全36話(但し第1〜2話はマクロススペシャルとして1時間放映)。企画、原作はスタジオぬえ。原作協力はアートランド。制作はビッグウエスト。チーフディレクター石黒昇。キャラクターデザインに若手の美樹本晴彦、メカニックデザインに宮武一貴と若手の河森正治を起用し、全体に若手主体による斬新な感覚を貫いた作品となっている。
日曜日の14:00〜14:30(@250〜@270)という珍しい時間帯に放映され、後番組のオーガス、サザンクロスと共に "超時空シリーズ三部作" と呼ばれるシリーズを構成する第1作目に当たる。36話で完結しているが、当初の予定では第27話 "愛は流れる" が本来の最終回であり、以降のストーリーは延長として輝と美沙とミンメイの三角関係のストーリーに終止符を打つためのエピローグ的な話となっている。なお、一般的にテレビ番組は1クールである13話単位を構成の基本とするがマクロスの場合は1〜2話がまとめて1回となっているので27話目が実際には26回目の放送となる。
1999年、南アタリア島に謎の宇宙船が墜落。この宇宙船は巨大な宇宙人の戦艦であることが分かり、これに対抗可能な戦力の準備が決定された。それから10年後、宇宙船は修理改造され地球統合軍の戦艦 "マクロス" として進宙式が行なわれた。このとき突然、異星人 "ゼントラーディ" の戦艦が出現したのに合わせてマクロスが勝手に動き始め、主砲でこの戦艦を撃沈してしまう。マクロスはこの敵勢力(監察軍)が設置した罠だったのだ。マクロスはこれにより異星人間の戦争に巻き込まれ脱出を図るがフォールド(空間転移航法)システムの異常動作で冥王星まで付近の民間人ごとジャンプしてしまい、ゼントラーディ軍に追われながら地球に向けて帰還することとなる。
ガンダムの登場以来増え続けたリアルロボット路線の一つだが、ロボットに美少女モノを組み合わせたアニメの走りであり、一般の視聴者より、俗に"アニメファン" と呼ばれるコアな層を主要なターゲットとし、絶大な人気を得、1つのエポックメーキングとなった作品である。その後、完全新作の劇場版の他、ミュージックビデオ "マクロス FLASH BACK 2012"(1987/8)、OVAによる続編 "マクロスII" (1992/5)、15周年記念企画OVA"マクロスプラス"(1994/8)およびテレビ "マクロス7"(1994/10) がある他、ゲームなども多数作られている。
スタジオぬえによるハードなSF設定と、現用機風の戦闘機 "バルキリー"の瞬間的なロボットへの変形(それまで当然であった決めポーズや溜めの演出が無い)や戦闘機とロボットの中間形態 "ガウォーク" などの斬新なデザイン性、メカニック作画監督の板野一郎による板野サーカスと呼ばれる空間的な戦闘アクションなど、リアルロボットアニメとしても有数のマニアックな要素をベースにしつつ、美樹本デザインの美少女と少女マンガ的な三角関係のラブロマンスを中心としたストーリー展開の上に、歌とキスが異星人に文化的影響(カルチャーショック)を与え戦意を喪失させる上にストーリーの重要なテーマとなるなど、それまでのロボットアニメとは一線を画した内容となっている。ただしスタッフが若手中心である上、放映時間なども含め実験作的な傾向が強く予算に恵まれていなかったことなどから全体的に作画品質が低いといった難点もある。
ヒロインで劇中でアイドル歌手となるリン・ミンメイはオタク的なアニメファンのバーチャルアイドルと化し、絶大な人気を誇った。ミンメイ役にはシンガーソングライター飯島真理が起用され、ミンメイ人気にシンクロして "ミンメイ=飯島真理" というイメージが浸透し、作品完結後もこの人気は継続するほどであった。
キャスト
・一条輝 長谷有洋
・リン・ミンメイ 飯島真理
・早瀬美沙 土井美加
・ロイ・フォッカー 神谷明
・マクシミリアン・ジーナス 速水奨
・柿崎速雄 鈴木勝美
・リン・カイフン 鈴置洋孝
・クローディア・ラサール 小原乃梨子
・ブルーノ・J・グローバル艦長 羽佐間道夫
・ヴァネッサ 佐々木るん
・キム 鶴ひろみ
・シャミー 室井深雪
・ブリタイ 蟹江栄司
・エキセドル 大林隆介
・カムジン 目黒裕二
・ミリア・ファリーナ 竹田えり
・ロリー 藤井つとむ
・ボドルザー 市川治
・ラプラミズ 鳳芳野
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