日本航空システム
読み:ニホンコウクウシステム
外語:Japan Airlines System Corporation
日本の航空会社。本社 東京都港区。2002(平成14)年10月2日設立。
日本の三大航空会社のうち、海外がメインの日本航空と国内ローカル路線がメインの日本エアシステムとが合併してできた会社。
航空自由化の中で激しい価格競争を繰り広げていた航空各社にとって911事件はその追い打ちをかけることとなり、ヨーロッパではスイス航空とベルギーのザベナ航空が経営破綻に追い込まれ、アメリカでもユナイテッド航空が破産法申請にまで至っている。日本も他人事ではなく、日本航空はドル箱だった太平洋路線で壊滅的な打撃を受け、赤字に転落すると予想された。一方の日本エアシステムは国際線が少ないので911事件の直接の影響は少なかったが、ローカル路線を多く持っているため、慢性的な負債を抱えていた。こうした危機感から両社は統合を決断。2001(平成13)年11月12日対外的に発表した。
両社の統合によって国内線のシェアは全日空に並ぶ約46%、国際線ではただでさえトップの日本航空にアジアの短距離国際線を開設してきた日本エアシステム路線が加わるため約76%とという圧倒的なシェアを占めることになる。新会社は連結ベースで売上高で約2兆円、従業員数約5万人、輸送規模では世界第6位というビックキャリアーとなる。
これは日本の航空業界の寡占化が進むことを意味しており、公正取引委員会も航空市場の競争を制限する恐れがあるとした。これを受けて両社では羽田空港の発着枠の8往復分返上、普通運賃の10%値下げ、特定便・事前購入割引対象の拡充、少なくとも3年は値上げしないとの修正計画を提出し、公正取引委員会も2002(平成14)年4月26日、これを承認した。
日本航空では1959(昭和34)年以降「日本のイメージを想起させる」として鶴のマークを採用して以来、日本の空の象徴として親しまれてきていた。それが、統合により新たな "JAL" の文字に太陽のアーク(弧)をあしらったデザインとなり、賛否両論となっている。
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