無鉛ガソリン
読み:むえんガソリン
外語:Unleaded

 の含まれていないガソリン。具体的には、かつて添加剤として使われていたアルキル鉛が使用されていないガソリンのことをいう、
目次

概要
 かつては、次の二つの目的のため、ガソリンにはアルキル鉛が添加されていた。
 無鉛ガソリン仕様車では、バルブシートは材質の変更で対応し、オクタン価はアルキレートを使用することで対応した。

特徴

廃止の経緯
 1970(昭和45)年、東京都新宿区の牛込柳町交差点付近で、鉛中毒事件が発生した。これは、本邦初の、沿道大気汚染事例だとされている。
 集団健診で住民に鉛中毒が発見された後、その原因がガソリンに添加された鉛によるものだとの空説が飛び交った。当時のマスコミも、これを煽りに煽り、結果として有鉛ガソリンは廃止せざるをえなくなった。
 しかし、この交差点は実はそれほど交通量が多くはなく、実際に有鉛ガソリンの影響である可能性は、殆どないことが明らかとなったのである。
 毒性があるのは事実なので、廃止するに越したことはないが、それで誤報したことが正当化されるわけではない。今も昔も変わらぬ、マスコミのミスリード事件であった。

過渡期
 廃止が騒がれた頃に生産されていた車は既に無鉛ガソリンでも問題なく走ったが、大昔の車になると有鉛ガソリンでないと良くないものも存在した。
 このため、日本の過渡期には車に入れるガソリンを判断できるよう、入れるガソリンの種類を表わすシールを貼っていた。シールは3色で、青の無鉛ガソリン、赤の有鉛ガソリン、そして黄色の混合ガソリンである。
 当然の帰結として、後にガソリンは無鉛が普通となる。日本では激しい競争から在庫の回転率向上が必要となり、有鉛ガソリンを扱うガソリンスタンドは殆ど見られなくなった。

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