日本円
読み:にほんえん
外語:JPY: Japanese Yen

 日本国通貨。国内では通常「円」という。
目次

情報

概要

主要通貨
 現在では、世界の主要3通貨の一つである。
 ハードカレンシーである。
 硬貨については現在、「独立行政法人 造幣局」が鋳造している。
 紙幣については現在、「独立行政法人 国立印刷局」で印刷されている。
 

貨幣の由来
 1871年5月10日(明治4年3月21日)、新貨条例制定によって日本の貨幣「円」は生まれた。
 この時「新貨幣ノ呼称ハ円」と規定され、もって円、銭、厘の新貨幣が鋳造された。
 当時は金本位制度(金銀複本位制度)を採用しており、また従来の4進法も10進法に改められた。
 これを期にそれまでの通貨「両」は廃されたが、両と当時の円は貨幣価値がほぼ同じく設定されたため、混乱は殆どなかったとされる。

名称の由来
 なぜ貨幣の名が「円」になったのかは、定説がない。
 主な説は、次の通り。
  1. 財務担当参与・大隈重信と造幣判事・久世治作に由来する説
  2. 香港から輸入した中古のイギリス製鋳造機に由来する説
 補助貨幣の「銭」は、アメリカ等で使われるセントに由来するが、このセントは元々はcmのセンチと同様、1/100を表わすものである。

Yenの由来
 円はローマ字表記ではEnではなくYenである。
 Enであると、英語圏ではエンと読まず、アンやインなどと発音してしまうため、頭にYを付けたのが由来とされる。これならイェンと発音され、エンに近い。
 通貨記号\は$にならい、このYに棒を引いたものである。縦棒や横棒一本では他の記号と見誤るおそれがあったため、横棒二本を引いた。

特徴

外貨との交換
 日本円を外貨と交換することができる。
 この時の、日本円に対する、外貨の相対的価値(為替レート)を「円相場」という。
 基本的には米ドルを介して外貨と間接的に交換するため、米ドルに対する相場が重視される。

通貨ペア
 二つの通貨を組み合わせて通貨ペアという。
 外国為替市場では、直接外貨と取引する通貨ペアと、一旦ドルなどが介在する通貨ペアとがある。
 現在の基軸通貨は米ドルであり、直接交換されていない通貨は、米ドルを介して交換することになる。

ストレート通貨
 日本円と直接交換されている通貨は「ストレート通貨」という。現在の円のストレート通貨は、米ドルと人民元だけである。
 南鮮ウォンなどとは直接取り引きしていない。円をウォンに変える時は一度ドルに交換する。

クロス通貨
 直接交換されない通貨は「クロス通貨」といい、交換レートはクロスレートと呼ばれ、日本円とであれば「クロス円」と呼ばれる。
 クロスと呼ばれる理由は、途中に他の通過が介在するからである。例えばEUR/JPYの場合、直接取引がないので買う場合にはドルを介在し、EUR/USD買いEUR/JPY売りの合成でEUR/JPYを買うことになる。
 簡単には、例えばユーロと円を両替する場合、ユーロドルストレートと円ドルストレートのレートを掛けあわせることによりユーロ円レートが決まり、交換出来る。これに手数料を加算したものが、実際の交換費用ということになる。
 銀行で、円からユーロに替えるのに、一旦ドル紙幣が出てきたりはしないが、建前上は二度交換したということになっている。
 次のような組み合わせは、この交換方法による(順不同)。

日支鮮
 円という字は圓の略字である。
 ちなみに、支那では圓の略字は元である。
 また日本によって文明や通貨制度がもたらされた東支那半島(朝鮮半島)の通貨単位ウォンは漢字では圓と書く。東支那半島ではウォン(圓)の補助通貨にチョン(銭)があるが、これも日本の古い通貨単位である。なお南朝鮮ではチョン(銭)は廃止され、現在は北朝鮮のみで使われている。
 つまり、円(えん)、元(げん)、圓(ウォン)は同じ漢字である。これは例えばディナールやドルが、アメリカドル、オーストラリアドルと言うように、あちこちの国でばらばらに使われているようなものと思えば良い。
 このことから、日本円を「JPY\」、人民元を「RMB\」と表記する場合もある。

製造場所
 現在、紙幣は独立行政法人国立印刷局で印刷、製造されている。
 通貨の製造は主権の一つであり、基本的に日本円の紙幣は日本国内で作られるが、たまに北朝鮮支那で作られた偽物が輸入され、偽札事件として問題をおこしている。

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