役小角
読み:えんのおづぬ

 葛城山の呪術者。修験道の開祖。役行者、役優婆塞(えんのうばそく)とも呼ばれる。正没年不詳。
 "続日本紀" によると、鬼神を使役し神通力を持つことで知られていたが、弟子である韓国連広足(カラクニノムラジヒロタリ)がその能力を妬み、妖術で世人を惑わしていると朝廷に訴えたために伊豆国へ流罪となったという。
 "日本霊異記" では説話として、役小角を密教行者として描いているが、後にそれが元となって様々な伝説が生まれた。それによると、役小角は生まれながら博学で、修行の結果孔雀明王の呪術を修得し鬼神を使役できるようになった。そこで葛城山と金峰山との間に橋をかけさせようとしたため、困惑した鬼神たちは一言主神から朝廷に訴えてもらうことにした。朝廷は役小角の母を縛ってこれを捕らえると、伊豆に流刑とした。しかし役小角は修行を重ね天を飛べるようになると、一言主神を呪縛したという。後に役小角は役行者と呼ばれるようになり、修験道と結び付けられるようになり開祖とされるようになった。

再検索