国旗
読み:こっき
外語:national flag

 国家を象徴し、国家の「顔」として掲揚される旗。
目次

概要

象徴
 国旗はその国を象徴するもので、国旗をみればその国の特徴が分かることが多い。
 これは、国旗には緩やかな共通感があるためで、その地域ごと、民族ごとに特有の色や形状が込められているためである。

国旗に対する思い
 国民は、国旗に、国家つまり国民全てを投影することで、自らを国家の一員とすることを自覚したり、自分の故郷に対する敬愛の念を思い起こしたりする。ゆえに、国旗には威厳があり、尊重される。
 日本でも、役所などは雨の日を除き毎日国旗を掲揚し、民家でも、「旗日」と称して祝祭日には玄関前に国旗を掲揚している。
 つまり国旗というのは国の地理、歴史、文化的な意味を表わす単なるシンボルマークというわけではない。例えば、国旗を焼く、破る、踏み付ける、などの行為は、その国全体に対してそのような行為をしていることと等しく、挑発行為となり、政治家がそのようなことを万一すれば、それだけで開戦理由足りうるものである。

特徴

表現されるもの
 国旗は、地域や民族宗教を表わすものであるため、それぞれの特徴から作られる。つまり、ある時いきなり出て来るようなデザインの旗は、原則として世界中に一つも存在しない。
 周囲の国と異なるデザイン、民族的でないデザインの旗は新興の国で幾つか見られるが、いきなり出て来るデザインの旗に権威など存在しえないので、そういったものは概ね世界遺産など、権威あるものが描かれる。
 いきなり系の代表はカンボジア王国だが、この旗には「アンコールワット」が描かれている。また、レバノン共和国の旗にはレバノン杉が描かれている。

共通性
 例えば、赤・白・青はスラブ系の国が用いている。
 アフリカは、緑・黄・赤が多い。黒星★を描く国が多いが、これは黒人を表わすとする国が多いようである。
 イスラム圏は緑が基調で、月と星が描かれることが多い。
 中南米は紋章が付くものが多い。
 オセアニア地域は南十字星が多く描かれている。
 インドに囲まれる国バングラデシュの国旗は緑地に赤丸で、日章旗の兄弟とされる。この国と旗は特徴的で、ここから東の国旗には全て赤が入り、西には緑が入る。その境界のこの旗は、二色で緑と赤なのである。

色数と意味
 
 世界で最も単純な国旗は、緑一色の大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国の国旗である。この緑色はイスラム教の色であり、一色であっても宗教的意味が国旗に込められている。

違う国で同じ旗
 違う国で、偶然に同じ旗を持つこともある。

青、黄、赤
 ルーマニアとチャド共和国は共に青、黄、赤である。一方は欧州、一方はアフリカだが、互いにフランス(青、白、赤)の影響の強い国であり、フランスに敬愛の念を持つことから、この色が選ばれた。ちなみに、創価学会も同じ青、黄、赤の三色旗を使っている。
 またアンドラ公国、モルドバ共和国も青、黄、赤だが、中央にそれぞれ紋章を描いて差別化している。

赤、白
 インドネシア共和国とモナコ公国は共に縦二色旗で、上が赤、下が白である。
 両者は、旗の縦横比が異なっている。


 五芒星★は、日本では安倍晴明が「セーマン」として使ったのが初と言われているが、実際にはさらに古くから存在したと言われる。従って、その発案者については定かではない。
 この五芒星★であるが、ヨーロッパの国旗で★を持つ国旗は、1998(平成10)年から採用されたボスニア・ヘルツェゴビナの国旗、ただ一つしかない。
 ヨーロッパの国で使われない理由は定かではないが、阿部晴明がそうであったように、五芒星には魔術的なものを指すイメージが強いからだとも考えられる。
 この五芒星に守護的な意味合いを見いだすこともあり、アメリカの星条旗も恐らくそうなのだと考えられるが、中世ヨーロッパにおいては「魔女」など、近世ヨーロッパでは「中世」などの象徴として、使用が忌避されたのだと思われる。その代わりに、キリスト教国では十字模様がよく使用されている。
 なお、ボスニア・ヘルツェゴビナの★は、EU旗に由来するとされている。

再検索