和服
読み:わふく
外語:kimono

 日本の伝統的な様式による衣服。日本の民族衣装。着物。
目次

概要
 和服にも、洋服と同様、普段着から外出着、そして礼装までが存在する。
 そしてまた、男性向けの衣類、女性向けの衣類があることも、洋服と同様である。
 なお「着物」と云うと、広義には和服全体を指す。しかし本来着物とは、和服のうちの一つ「長着」をいう。
 長着は足のくるぶしまである長い着物であり、腰で帯を締めて着る、最も一般的な和服である。

特徴

右前
 和服では男性女性問わず、常に右前となる。
 洋服では女性は左前となるが、和服では女性も右前である。例えば神社巫女などを見ても分かるが、男と変わらぬ右前で着ている。和服で左前に着るのは死人だけであり、死装束は左前で着せられる。
 なお、右前とは人から見て右側が上に見える着方であり、自分から見ると左側が上に合わさることになる。

長着と羽織
 男の普段着の定番は、長着に帯を締めただけの姿で、「着流し」という。
 この長着の上にはおる物を羽織という。長さは様々あるが、膝上程度までの長さのものが一般的である。
 着流しに羽織を加えれば外出着となる。更に袴を付ければ準礼装となる。
 このように、男性の服装の格は、着流しに付ける付加物によって決まる。

種類

普段着・外出着
 和服の普段着は、洋服のそれと同様で、日常に着る服である。
 安くて、丈夫で長持ちし、洗濯や手入れが簡単なものが用いられる。このため日本では素材として、木綿や羊毛(ウール)がよく使われてきた。最近でもその傾向は変わらないが、洗濯機で気軽に洗濯できるポリエステル製の服も作られている。
 作務衣などは、実際には和服でも洋服でもないともされる。しかし日本古来の服装であり、和の香りの強いものであるため、強いて分けるなら和服とされる。

礼装
 和服の礼装は、冠婚葬祭などの際に着る服である。
 男の第一礼装(正礼装)は「紋付羽織袴」と決まっており、現在でも結婚式の新郎などはこの姿をする。
 略礼装は、パーティや、友人の結婚披露宴などに出席する時の服装で、何らかの紋付の服装が必要な時に着るものである。
 喪服としては、喪主は第一礼装とするが、他の弔問客は大げさとなるため必ずしも黒紋付である必要はなく、袴も必須ではない。
 黒の紋羽織を合わせていれば、着物はお召しでも紬でも、特にこだわらないものとされているようである。色は紺や黒、グレーなど、地味な色とする。

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