千鳥ヶ淵戦没者墓苑
読み:ちどりがふち-せんぼつしゃぼえん

 東京都千代田区にある、無縁戦没者(無縁仏)の墓。略して「千鳥ヶ淵」。
目次

概要
 第二次世界大戦(大東亜戦争)において、海外で散華した軍人や一般人のうち、身元不明者の遺骨を安置するために作られた。
 靖国神社皇居にほど近い場所に建設されている。遺骨は、苑の中の、皇居に向かう方向に作られた、小さな六角堂に収められている。
 六角堂はとても狭い。時々満杯になり、遺骨が酷い場所に納められるなどして政治問題化する。

苑の情報
 年中無休だが、閉門が非常に早いため、参拝する場合は注意が必要である。

特徴

静寂
 「厳かで静か」な場所であるが、靖国神社とは違って参拝者そのものが少ない。
 しかし毎年春に皇族の御臨席を賜わりながら、戦没者の安らかな眠りと、国の平安が祈られている。
 ただ時々、仏教系の宗教団体と思われる者たちが集まり、儀式を繰り広げる様が見られる。


 昭和天皇御製の碑と、今上陛下御製の碑が建てられている。苑内の前屋をくぐると正面奥に六角堂が見えるが、その手前の左右にそれぞれ御製碑がある。
 昭和天皇から下賜された御製は秩父宮妃殿下により謹書され、1960(昭和35)年3月28日に竣工された。
 くにのため
 いのちささげし
 ひとびとの
 ことをおもへば
 むねせまりくる
 今上陛下が「歌会始の儀」で詠まれた御製は、常陸宮妃殿下により謹書され、2005(平成17)年9月27日に竣工された。
 いくさなきよを
 あゆみきて
 おもひいづ
 かのかたきひを
 いきしひとびと

遺骨回収
 戦没者の遺骨は、全てが回収されたわけではない。今もまだ100万柱以上の遺骨が「放置」されたままとなっている。
 有志によって今も回収作業が続けられているが、国家事業としては行なわれていないていたらくである。
 参加者やその費用などもあり、回収はなかなか終わらない。
 日本という国は、国のために死ねと言って送り出しながら、その兵士の遺骨回収は放棄しているとしか言えない状況にある。
 こうして集められた英霊たちの遺骨は、ここ千鳥ヶ淵に収められることになる。

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