一休宗純
読み:いっきゅう-そうじゅん

 室町時代の臨済宗の僧侶。生年1394(応永元)年から没年1481(文明13)年。狂雲子と号した。
 後小松天皇の落胤として生まれ、6歳のときに安国寺へ入り禅僧としてのエリートコースを歩むが、後に仏教の堕落を批判、主流派から離れ反主流派「林下の禅門」に属した。27歳のとき、琵琶湖畔堅田で一人坐禅を組んでいたときに突然悟りを得る。
 それからは粗末な着物で禅を説き、奇行や漢詩で禅宗の腐敗を批判し、公然と飲酒・女犯をした。晩年の妻・林侍者(りんじしゃ)との性愛は有名である。
 仏教の教えでいえば一休宗純は間違いなく地獄行きであるが、これは数多のお経を読み学んだ結論だった。当時の高僧達は建前ばかりで、裏では酒は飲むは女は抱くはインチキばかりではないかと批判し、自分は世俗的な生き方をしながら、しかし人としてのあるべき生き方を示したのである。
 一方でその多くの逸話から民間の人気を得て、「一休とんち話」が江戸時代に作られた。これは現代に至るまで広く知られており、辻真先のアニメ「一休さん」で有名である。なお、作中出てきては一休にへこまされる新右衛門さんこと蜷川新右衛門は実在した禅の居士で、実際に一休と親交があった。

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