ヘブライ民族
読み:ヘブライみんぞく
外語:Hebrews

 イスラエル人の別名とされる。
 原語であるイブリ(‘ibri)は、"川の向こうからきた者" を意味する遊牧民集団のことで、主に他民族から用いられる。
 古くはユーフラテス川上流地域で族長の下に遊牧生活を送っていたが、紀元前15世紀頃にメソポタミアよりカナーンに移住し、さらに一部はエジプトに行ったが、やがてエジプトの王ファラオの圧制を受け、紀元前1230年頃にモーゼに率いられ "出エジプト" を敢行した。この海を割って逃げたとされる旧約聖書の "出エジプト記" は映画にもなった。しばらくはシナイ半島に留まり、その間にシナイ山でヤハウェより十戒を授けられたとされ、その後カナーン定着、十二部族の宗教連合を結成し、ヘブライ民族として宗教共同体を形成し、民族的統一を持つこととなる。
 紀元前11世紀末頃に王国を創建、ダビデ王・ソロモン王の時に最盛期を迎えるが、ソロモン王の死後、サマリアを都とするイスラエル王国とイェルサレムを都とするユダ王国に分裂した。イスラエル王国は紀元前722年にアッシリアに滅ぼされ、その後、ユダ王国も紀元前586年に新バビロニアに滅ぼされた。"バビロン捕囚" となったユダの民はユダ族を中心に統合が進み、"ユダヤ人" と総称されることとなった。

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