読み:かみ
外語:paper

 木材などの繊維から作られるセルロースを主成分とする薄い繊維膜。
目次

概要
 人類が紙を発明したことにより、それまでの石版や竹簡のような生産性の低い記録媒体よりも情報を記録しやすくなり、文明を築くのに大きく貢献した。
 筆記用としての紙、印刷用としての紙などは、コンピューターが普及した今なお多く利用されている。これは手軽なためで、あらゆるPDAへの入力を遥かに凌駕する手書きの「高速性」や「手軽性」を持つことも一つの要因である。

特徴

材質など
 手軽だが記録密度が低く、情報の検索や再利用が困難である。しかも自然破壊の元凶ともなっている。
 洋紙は主に広葉樹など雑木から作られる。
 牛乳パックの紙などは針葉樹(松、杉など)が主な原料である。
 和紙はクワ科の楮(コウゾ)、ジンチョウゲ科の三椏(ミツマタ)や雁皮(ガンピ)が主で、その他日本で採れる様々な植物が使われる。
 和紙はともかく、頻用される洋紙の原料が木材というのは問題だと考えられ、現在では木材以外に、ケナフという植物を材質とする製紙も発明されたが、主流にはなっていない。
 現在は、合成紙と呼ばれる木材繊維以外の材料から作られたものも使われる。合成紙は石油から作られた合成樹脂から作られる紙のようなもので、例えば選挙の投票用紙などにも使われており、折り畳んでも直に元に戻るという特徴がある。
 更に、ポリエステルポリプロピレンなどから作られる不織布(ふしょくふ)と呼ばれる、正確には紙ではない紙もあり、紙おむつや紅茶のティーバッグ、掃除機に使われる紙袋や紙タオル等、紙や布に変わってあらゆる場所に使われている。

寸法

統一化
 紙の大きさがてんてんばらばらでは使いにくいので、自然に統一的な大きさが作られた。
 現在では、一般的に紙の縦横の比は1:√2に作られている。
 日本ではA判とB判の二通りの大きさがある。A版はドイツ工業規格が起源で、現在の国際規格である。B判は江戸時代の公用紙「美濃紙」に由来する日本独自のものである。ちなみにB版は畳の大きさが起源とも言われている。
 なお、ISOでもB版が作られたが、日本のB版とは異なるものである。ISOのB版は、JISの同じ番号のB版より少しだけ小さい。

大きさの表現
 大きさを表現する方法は、判の全紙(A1B1)を二分割するとA2B2、四分割するとA3B3というように、サイズが小さくなる程数が大きくするように決められている。
 今では、全紙の更に倍の面積として、A0B0などもある。

B列
 B列は、日本の規格JISのものと、ISOのものとがあり、大きさが違っているので注意が必要である。
 日本でB列といえば、ほぼ例外なくJISのものをいうが、海外製のソフトウェアで印刷や編集などをしようとした場合、異なることがあるので注意が必要となる。

変型判
 本の大きさなどでは、A列やB列の規格サイズから左右や上下(天地)の寸法を短くした「変型判」にすることもある。
 例えば、B5判の天地(257mm)を27mm短くして230mmにするなどがある。このような書籍の判型は、B5判をもとにした変形であるため「B5変型」または「B5寸詰」と呼ばれる。
 変型サイズの場合は規格外なので、ものにより多少の差が生ずることがある。

仕上寸法一覧
 寸法は全てミリメートルで、横×縦。
番号A列B列C列
JISISO
0A01189×841B01456×1030B01414×1000  
1A1841×594B11030×728B11000×707  
2A2594×420B2728×515B2707×500  
3A3420×297B3515×364B3500×353  
4A4297×210B4364×257B4353×250C4324×229
5A5210×148B5257×182B5250×176C5229×162
6A6148×105B6182×128B6176×125  
7A7105×74B7128×91B7125×88  
8A874×52B891×64B888×63  
9A952×37B964×45B963×44  
10A1037×26B1045×32B1044×31  

原紙用紙寸法
 寸法は全てミリメートルで、横×縦。全て日本での判型。
JIS
A列本判(用紙寸法)880×625
B列本判(用紙寸法)1085×765
A列小判856×608
B列四判(用紙寸法)356×257
四六判1091×788
菊判939×636
地券判758×591
三々判1000×697
艶判762×508
艶判(倍判)1016×762
ハトロン判1200×900
新聞紙(タブロイド判)813×546
JISの規格外
三五判148×84
三六判171×91
葉書判148×100
四六倍判254×188
四六判(仕上寸法)188×127
AB判210×257
新書判182×103
菊判(仕上寸法)218×152
菊倍判304×218
A3ノビ483×329

印画紙の寸法など
 寸法は全てミリメートルで、横×縦。
名称寸法根拠
大名刺65×90JIS
手札108×83 
4×5127×102JIS
キャビネ165×120JIS
大キャビネ180×130JIS
8切216×165JIS
6切254×203JIS
4切305×254JIS
大4切356×279 
半切432×356JIS
小全紙508×406 
全紙560×457JIS
大全紙610×508 

その他の紙類の寸法など
 寸法は全てミリメートルで、横×縦。
名称寸法根拠
ロール判985×712 
ケント判624×485 
フールス判424×333 
フールス倍判667×424 
グラシン判758×506紙パルプ連合会
中ライス758×506 
トレーシング1189×841 
書簡紙585×458 
タイプ用紙小判854×606 
木炭紙621×470 
アイボリー758×582 
画学紙758×582 
帳簿判1091×818紙パルプ連合会
雑記判864×591 
連史判1121×636紙パルプ連合会
吸取紙576×455 
半紙判333×242 
美濃判394×273 
大奉書530×394 
中奉書500×394 
小奉書470×333 
西内485×333 
ふすま判1757×939 
黄ボール本判758×636 
黄ボール新判803×712 

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