日本国憲法第60条
読み:にほんこくけんぽう-だいろくじゅうじょう
外語:Article 60 of the Constitution of Japan

 日本国憲法第4章にある日本国憲法の条文の一つで、衆議院の予算先議と優越を規定する。
目次

条文

日本語
 条文は次の通り。
 第四章 国会
 第六十条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
 (2) 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

英語
 日本国首相官邸公式サイト掲載の英文(正文ではない翻訳)では、次のようになっている。
 CHAPTER IV. THE DIET
 Article 60.
 1. The budget must first be submitted to the House of Representatives.
 2. Upon consideration of the budget, when the House of Councillors makes a decision different from that of the House of Representatives, and when no agreement can be reached even through a joint committee of both Houses, provided for by law, or in the case of failure by the House of Councillors to take final action within thirty (30) days, the period of recess excluded, after the receipt of the budget passed by the House of Representatives, the decision of the House of Representatives shall be the decision of the Diet.

考え方
 この条文は、予算案は先に衆議院に提出する旨、規定される。
 もし参議院が衆議院案を否決した場合や議決しない場合、衆議院の議決が採用される。
 つまり予算案の審議については参議院が口を挟む余地はないため、予算審議は毎年衆議院が荒れることになる。社会党ありし頃は、牛歩戦術などがよく見られた。

関連する条文

前後の条文
 日本国憲法第59条日本国憲法第60条日本国憲法第61条

GHQ草案
 この条文の、GHQ草案は次のとおり。

英語
 CHAPTER VII. Finance
 Article LXXX.
 The Diet may disapprove, reduce, increase or reject any item in the budget or add new items.
 The Diet shall appropriate no money for any fiscal year in excess of the anticipated income for that period, including the proceeds of any borrowings.

日本語
 第七章 財政
 第八十条 国会ハ予算ノ項目ヲ不承認、減額、増額若ハ却下シ又ハ新タナル項目ヲ追加スルコトヲ得
 国会ハ如何ナル会計年度ニ於テモ借入金額ヲ含ム同年度ノ予想歳入ヲ超過スル金銭ヲ支出スヘカラス

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