冥途 |
辞書:文化用語の基礎知識 民俗学東洋・仏教用語編 (LFOLKEBY) |
読み:めいど |
品詞:名詞 |
死後、霊魂が旅するという世界。冥土。
|
概要 |
冥途は死者にとっては通過地点であって、基本的にはここに留まることは許されない。よって、冥途の旅と言われる。
そして旅の期間は49日と決まっていて、7日ごとに裁きを受け、最後の7回目の裁判において、死者は六道のいずれかへと輪廻する。その輪廻した先を来世という。
また七日毎に、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日と呼ばれる。
冥土の旅 |
始まり |
冥途の旅はまず山麓から始まる。この山は死出の山と呼ばれる。この山を七日間かけて越えねばならない。
初七日 |
最初の7日目を初七日忌といい、この日に死者は秦広王(不動明王)により書類審査による最初の裁判が行なわれる。その後死者は三途の川を渡る。
三途の川を渡ると鬼婆と鬼爺に服をはぎ取られ、服は衣領樹の枝に掛けられる。これにより生前の罪の重さをはかり、結果は後の裁判に使われる。
二七日 |
二七日には初江王(釈迦如来)により二回目の裁判が行なわれる。
ここでは生前の無意味な殺生を裁かれる。
三七日 |
三七日には宋帝王(文殊師利菩薩)により三回目の裁判が行なわれる。
ここでは生前の邪淫について裁かれる。猫と蛇を使い、不邪淫あらば、男なら猫に男根を噛まれ、女なら女陰に蛇が入り込むとされる。
四七日 |
四七日には伍官王(普賢菩薩)により四回目の裁判が行なわれる。
ここでは生前の言動を裁かれ、死者を秤に乗せて善悪を判断する。ここで来世の六道が概ね決定する。が、地獄行き決定の亡者は概ねここで伍官王に懇願して、もう一審の猶予を貰うことになる。
五七日 |
五七日には閻魔王(地蔵菩薩)により五回目の裁判が行なわれる。
ここでは浄彼璃と呼ばれる鏡により生前の悪行を映し出し、それが裁かれる。この時に嘘を吐けば舌を抜かれるとされる。
六七日 |
六七日には変成王(弥勒菩薩)により六回目の裁判が行なわれる。
ここでは伍官王と閻魔王の判断が適切であるか審査される。
七七日 |
そして最後、七七日には泰山王(薬師如来)により七回目、最終的な判決が下される。
最初の段階で既に明らかに地獄行きと思われる者でも、すぐに判決は下さず、最後の七七日まで延ばしてくれるわけである。
そして判決を下すといっても、泰山王が行き先を言うことはない。ここには6種類の色々な門が並んでいて、この門はそれぞれ来世へと繋がっている。しかしどの門がどの六道に繋がっているかは分からない。このうちの一つを、自分の判断でくぐるのである。このどれを選ぶかという力も、生前に作った業によるのであり、まさに因果応報である。
来世 |
この門をくぐるといよいよ来世である。
天道へゆくか、人間道へゆき再び人間に生まれ変わるか、あるいは最悪、地獄道へと落とされるかは、全てその人次第ということになる。
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |