スレイヤーズ
読み:スレイヤーズ
外語:slayers

 神坂一原作、原作イラスト「あらいずみるい」のファンタジー小説。富士見ファンタジア文庫刊。第1回ファンタジア長編小説大賞準入選作品。
目次

概要
 本作は、長編と呼ばれ区別される長編ストーリーと、外伝または短編と呼ばれ区別される短編オムニバスストーリーの二つの流れがある。
 時系列的には短編が長編より前の話である。
 基本的に主人公、リナ=インバース視点の一人称小説である。

特徴

世界観
 中世ヨーロッパが基調と思われる。
 魔法その他の設定もおおむね系統立てて説明されていて設定の確かさを感じさせるが、短編や本編の大部分はそれを気にせずとも楽しめる。

長編
 1巻から8巻までが第一部、9巻からが第二部とされている。
 しかし1巻内容は賞投稿用の内容を若干修正しただけなので、1・2巻の間で若干の分断がみられる。
 1巻のみ、表紙イラストが途中の版から差し替えられており、新旧二種類がある。

1巻
 旅の途中でリナがいつものように森で盗賊に絡まれているところを、たまたま通りすがったガウリイがなりゆきで助ける。
 ガウリイはリナの保護者をしてやると述べ、二人で旅をすることになるが、途中ゼルガディスと赤法師レゾらの賢者の石を巡る争いに巻き込まれる。

第一部
 1巻での事件が終わったあとリナ達一行は旅を続けるが、巻き込まれる事件になぜか全て魔族が絡んでくる。
 アメリアや謎の神官ゼロスも加わり、その真の目的が徐々に明らかとなる。

第二部
 リナとガウリイは光の剣を第一部で失い、これに代わる武器を求め、二人で旅を続ける。
 途中ルークとミリーナに出会い、またまた奇妙な事件に巻き込まれる。そして物語は再び伝説の魔王との決戦へ。

外伝
 自称天才美少女魔導師リナ=インバースとその金魚のうんち白蛇のナーガの珍道中。
 本編と若干リンクしている箇所もある。
 すぺしゃる1巻〜7巻の書き下ろしは「スレイヤーズ えくせれんと」、9巻〜30巻では「スレイヤーズ すぺりおぉる」である。
 9巻からは前後編の2部構成となっている。

タイトル変更
 アニメ第四期制作に合わせて、タイトルを「すぺしゃる」から「すまっしゅ」に変更した。
 神坂一はタイトル変更の理由として「小説でこの巻数は、新規の人は入って来きにくいだろー」と述べている。(すまっしゅ1巻あとがき)

タイトル
 スレイヤーズ(slayers)のスレイ(slay)には二つの意味がある。

シンクロ率
 作品の主人公リナ=インバースは、アニメの声優である林原めぐみと性格がシンクロしているといわれる。

新装版
 2008(平成20)年アニメ第四期が制作されるのに合わせ、新装版が発売された。
 表紙イラストと巻末あとがきが差し替えられ、本文も一部加筆修正されている。
 イラストは表紙のみ変更したため、表紙イラストと中身のイラストのタッチの差に困惑する読者がいるかもしれない。

登場人物
 数が多いため、主要メンバーのみ記述する。
リナ=インバース
 主人公。自称天才美少女魔導師。盗賊殺し(ロバーズ・キラー)」。本編物語開始時15歳
 大食い。金にめざとい。
 魔法最強。剣の腕もなかなかのもの。
 胸がちいs……うわなにをするやめr
ガウリイ=ガブリエフ
 リナ=インバースの保護者を自称。超一流の剣士。光の剣をもっている(た)。
 大食い。とぼけた、というか記憶に疎い、ていうか頭悪そう。
白蛇のナーガ(サーペントの‐)
 自称リナの最強にして最後のライバル。しかしその実態は……。
 大食い。非常識。あほ。服装の割にサービスはないです。「手段のためには目的を選ばない」。
 でも魔法はリナとタメはれる。外伝のみに登場。
 「ほーほっほっほっほっほ!」
ゼルガディス=グレイワーズ
 凄腕の魔法剣士。合成獣(キメラ)。
 キメラから元に戻る手がかりを探している。
 本編第二部では名前のみ登場。
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン
 セイルーン王家の第一王位継承者フィリオネルの次女。美少女。
 正義バカ。胸が大きい。
 小説とアニメとで設定が結構違う。
 本編第二部では名前のみ登場。
獣神官ゼロス(プリースト‐)
 魔王の腹心の一人。中間管理職。パシリ魔族。
 「談笑しながら相手の首をかき切るタイプ」。
 「それは秘密です」
シルフィール=ネルス=ラーダ
 サイラーグの巫女頭。黒髪美人。「いい性格」。ガウリィに気がある。
ルーク
 凄腕の魔法剣士。第二部以降に登場。
 ミリーナとともに旅するトレジャーハンター。色々過去があったりする。
ミリーナ
 凄腕の魔法戦士。第二部以降に登場。
 冷静。ツッコミ。ちなみに本編中リナ以外のメインキャラでもっとも使用した呪文の種類が多い。

小説各巻のタイトル
 小説のみならずOVAも含め、シリーズ毎に名前が変わっているので紛らわしい。
 また、これらシリーズタイトルとして「スレイヤーズ」という名称が使われる場合には感嘆符が付いていない。

長編
 以下のタイトルは新装版に準ずるが、日付は初版の発売日である。ISBNの二つ目は新装版のものである。

スレイヤーズすぺしゃる
  1. 白魔術都市の王子(1991(平成3)年7月17日) ISBN978-4-8291-2405-5
  2. リトル・プリンセス(1992(平成4)年3月16日) ISBN978-4-8291-2431-4
  3. ナーガの冒険(1992(平成4)年10月13日) ISBN978-4-8291-2464-2
  4. 魔道士協会の陰謀(1993(平成5)年6月11日) ISBN978-4-8291-2506-9
  5. 戦え! ぼくらの大神官(1993(平成5)年10月12日) ISBN978-4-8291-2527-4
  6. 打倒! 勇者様(1994(平成6)年10月12日) ISBN978-4-8291-2591-5
  7. がんばれ死霊術士(1995(平成7)年1月17日) ISBN978-4-8291-2604-2
  8. 恐るべき未来(1995(平成7)年7月20日) ISBN978-4-8291-2637-0
  9. イリーズの旅路(1996(平成8)年4月19日) ISBN978-4-8291-2681-3
  10. 破壊神はつらいよ(1996(平成8)年10月25日) ISBN978-4-8291-2711-7
  11. 激走! 乗合馬車(1997(平成9)年7月18日) ISBN978-4-8291-2759-9
  12. 家政婦は見たかもしんない(1997(平成9)年12月16日) ISBN978-4-8291-2789-6
  13. 仰げば鬱陶し(1998(平成10)年7月17日) ISBN978-4-8291-2826-8
  14. ホーンテッド・ナイト?(1999(平成11)年10月13日) ISBN978-4-8291-2923-4
  15. エイプリルの事件簿(2000(平成12)年7月14日) ISBN978-4-8291-2983-8
  16. スクランブル・グリル(2000(平成12)年12月20日) ISBN978-4-8291-1316-5
  17. 小さな濃いメロディ(2001(平成13)年6月20日) ISBN978-4-8291-1362-2
  18. 跡継騒動 森林レンジャー(2001(平成13)年12月20日) ISBN978-4-8291-1398-1
  19. るなてく・へすてばる(2002(平成14)年7月18日) ISBN978-4-8291-1450-6
  20. ミッション・ポシブル(2003(平成15)年2月20日) ISBN978-4-8291-1498-8
  21. 汝その名はスイートポテト(2003(平成15)年8月20日) ISBN978-4-8291-1544-2
  22. Gハンター・フォルクス(2004(平成16)年2月20日) ISBN978-4-8291-1589-3
  23. ブレイク・オブ・ディスティニー(2004(平成16)年10月25日) ISBN978-4-8291-1654-8
  24. 地底王国の脅威(2005(平成17)年4月20日) ISBN978-4-8291-1710-1
  25. 騎士道のススメ(2005(平成17)年10月20日) ISBN978-4-8291-1763-7
  26. ミッシング・セイント(2006(平成18)年4月25日) ISBN978-4-8291-1811-5
  27. スタンプ・トゥ・キル(2006(平成18)年7月25日) ISBN978-4-8291-1839-9
  28. ポーション・スクランブル(2007(平成19)年1月25日) ISBN978-4-8291-1893-1
  29. 魔法の老女プリンシア(2007(平成19)年7月20日) ISBN978-4-8291-1944-0
  30. 白銀の弾丸(2008(平成20)年1月19日) ISBN978-4-8291-3258-6

スレイヤーズすまっしゅ
  1. 獅子の試練を乗り越えて(2008(平成20)年7月19日) ISBN978-4-8291-3307-1
  2. アカデミー・フェスタ(2009(平成21)年1月20日) ISBN978-4-8291-3369-9

メディアミックス
 TRPGゲームまんがテレビアニメ等が実現し、また1995(平成7)年の夏には映画化された。

まんが版
 まんが版に「あらいずみるい版」と「義仲翔子版」、「トミイ大塚版」の三種類がある。
 あらいずみ版の内容はオリジナル。
 義仲版はコミックドラゴン連載の後、ドラゴンジュニアで連載され、おおよそ原作に沿ったストーリーになっている。
 トミイ版は小説版「スレイヤーズすぺしゃる」や、映画ともなった「スレイヤーズプレミアム」を描いている。

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