放送禁止用語
読み:ほうそうきんしようご

 テレビやラジオで放送してはいけない、とされる用語のこと。より正確には「放送自粛用語」である。
目次

概要
 差別的な用語などを発言し、抗議されることを恐れた放送局側が作った自主規制であって、日常会話で発言してはいけない言葉、と言うわけではない。
 どのような表現であれ、それが表現である以上、規則や法律などで制限することは、日本国憲法第21条第1項の「表現の自由」を侵害することになるからである。
 ただし「猥褻な語」に関しては、電波法第108条に「無線設備又は第100条第1項第1号の通信設備によつてわいせつな通信を発した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と決められているので、これは守らなければならない。

現状

規制状況
 昔のまんが等ではエロは規制が強かったものの、気違い(精神異常者)、土人(先住民や原住民)、こじき/乞食、つんぼめくら、びっこ、などの用語は殆ど規制無く使われていた。
 今は、エロの規制はゆるいものの、このような差別用語(とされる語)については極めて厳しい制限があるようである。
 このため、昔のまんがの再販などでは差別的な台詞の書き換えなども良く行なわれており、問題となっている。

作品の規制
 絵本の「ちびくろサンボ」、藤子不二雄の「ジャングル黒べぇ」などは、差別的だとして出版が自粛されているようだ。

代替表現

代替の問題
 日本語というものは、その日本人の特徴そのまま、表現が曖昧であることを最大の特徴とする言語である。
 こういった曖昧表現を「差別語」と認定し、もって代替語を作るということが近年行なわれるようになってきたが、その代替表現は総じて直接的表現である。
 しかし、曖昧な語をこのように言い換えることは実際には不可能である。なぜなら、曖昧な語はその意味が広いためであり、代替表現ではその全てを表わしきることが出来ないからである。
 「めくら」は決して目が見えない人を意味するのではなく、「つんぼ」は決して耳が聞こえない人を意味するのではない。

こじき
 国の見解として「日本には乞食はいない」ということになっているので、いないものを指す代わりの語はない、ということになっているらしい。つまり乞食≠巡回探職労働者である。
 それでは地下街や公園に住んでいるあの人達は何なのか?
 彼らは日本では一般に「ホームレス」と呼ばれるが、アメリカでいうホームレスとは意味が全く違う。これは和製英語であり、国外では通じない。
 ちなみに、日本に乞食がいない理由は、軽犯罪法の次の条文による。
 第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
 二十二 こじきをし、又はこじきをさせた者
 かくして、こじきは軽犯罪であり、こじきをしたら捕まるため居ないのである。
 そしてまた、法律では、今も乞食は乞食である。

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