五省
読み:ごせい
五つの反省。江田島で道徳教育に使われた。
概要
かつて、江田島(広島県江田島にあった海軍兵学校を指して言う)には、現在の海上自衛隊にも継承される「五省」というものがあった。
これは1932(昭和7)年、当時の校長、松下少将が創始したものである。
これを生徒に暗記、暗謡させ、道徳教育とした。いつしか五省は江田島を代表するものとなった。
特徴
五省
- 一、至誠(しせい)に悖(もと)るなかりしか
- 一、言行(げんこう)に恥(は)づるなかりしか
- 一、氣力(きりょく)に缺(か)くるなかりしか
- 一、努力(どりょく)に憾(うら)みなかりしか
- 一、不精(ぶしょう)に亘(わた)るなかりしか
この現代語訳の一例は、次の通り。
- 一、真心に反する点は、なかったか
- 一、言行不一致な点は、なかったか
- 一、精神力は十分であったか
- 一、十分に努力したか
- 一、最後まで十分に取り組んだか
現在
現在でも、江田島を訪れる者が自分や子供の教育に生かそうと五省をメモして帰る人も多く、海軍兵学校がいかに人間教育に重点を置いていたかが伺える。
また、日本敗戦後に来日した米海軍のウィリアム・マック海軍中将も五省に感銘を受け、現在もUSNA(アナポリス海軍兵学校)で五省が利用されているそうである。
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