アトランティス
読み:アトランティス
外語:Atlantis

 かつて大西洋に存在したと言われている幻の文明及び大陸。神権政治が行なわれ、美術や魔術などの優れた文化で栄えたという。
 おそらくプラトンの創作であり、その著作「ティマイオス」「クリティアス」に記されている。その後1882(明治15)年にアメリカの政治家で作家でもあるイグネイシャス・ダンリーが「アトランティス」という研究書を発表わしたことでアトランティス研究がブームとなり、その伝説は現在に至るも多くの支持者を得ている。
 始めはジブラルタル海峡の向こう大西洋のほとんどが陸地として存在していたが、紀元前20万年ころにルタとダイティアと呼ばれる二つの大陸に分裂した。しかし魔術の悪用が広まり大陸自身が侵され、ついには地震と洪水によって一夜にして大部分が海へと沈んだという。後に残されたポセイドニス島が沈み、最終的に滅んだのが紀元前9564年のことだという。
 地質学的にはそれほど巨大な大陸または島が大西洋上に存在したことはありえず、またその存在を証明する考古学的証拠も無い。しかし「そこまで巨大なものではなく普通の島でならあり得る」という説をはじめ、「大西洋上で過去に火山活動があったことは確認されているのでそれで島が沈没した可能性は高い」「大西洋でなくエーゲ海上の島(ティーラ島(サントリニ島))が紀元前1400年頃に大噴火を起こし、近隣の島(クレタ島。当時ミノア文明が栄えていた)に壊滅的打撃を与えたことでその恐怖から大陸とその沈没という伝説が生まれた」などの比較的現実的な諸説がある。また「大西洋上にそのような島があったと仮定すると、近辺の一部の動物の謎の回帰習性が説明できる」という仮説もある。
 現代に存在する魔術などの神秘的な力は、アトランティスに由来すると主張する説がある。

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